ローム<6963>は短期的な期待を相当程度織り込んだ水準にあるが、足元の推移は依然として堅調だ。再編期待や成長プレミアムが先行する展開ながら、日足トレンドは鮮明な右肩上がりを維持し、モメンタムは力強い。バリュエーション面での妙味には乏しいものの、この勢いが継続する限り、さらなる上値模索の展開を意識したい局面。
株価上昇の土台にあるのは、本業の底打ちだ。2025年度第3四半期は売上高1,252億円で前年同期比11.2%増、営業利益も黒字転換した。自動車向けや欧州向けSiCデバイスの回復に加え、固定費削減や在庫調整も進み、市場は足元の利益より収益改善余地を評価。
加えて、3月以降は再編期待が株価を押し上げた。東芝陣営との協議継続に加え、デンソーの株式取得提案や東芝デバイス&ストレージ、三菱電機との統合協議に向けた基本合意書締結が続き、市場では、ロームがパワー半導体再編の中核候補として意識されやすい局面に入っている。
ただし、現在の株価は足元業績だけでは説明しにくく、再編や成長期待を先回りして織り込んでいる面が強い。短期では期待先行がかなり進んだ局面と言える。

一方、テクニカルはなお強い。4月3日時点の終値は3,608円で、上昇トレンドが続いている。目先は3,400円前後を維持できるかが焦点で、その後は短期の移動平均線が下値支持として機能するかを見たい。これを維持する限り、上昇トレンドは崩れていない。
ロームの相場は中長期の評価余地を残しつつも、短期ではかなり織り込みが進んだ局面にある。ただ、材料とトレンドが生きている限り、なお上値を試す余地はある。現状は、期待先行を認識しながらも、上向きトレンドが崩れないかを確認しつつ対応したい局面だ。

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